1.不動産価額の特例の廃止
平成8年4月1日から平成15年3月31日までに、土地に対する所有権移転登記などに係る登録免許税の課税標準を固定資産税評価額の3分の1相当額とする特例が廃止されました。
2.不動産登記に係る税率の改正
上記1.の価額の特例廃止にともない、一方で、次のように税率が個人法人を問わず軽減されることになりました。
改正後の税率は、暫定期間を経て2段階に分けて適用されます。
〈主な所有権移転登記〉
改正前 改正後
登記原因 ~15/3/31 15/4/1
~18/3/31 18/4/1~
(1)相続(注1)
6/1000 → 2/1000 4/1000
(2)法人の合併
6/1000 → 2/1000 4/1000
(3)遺贈、贈与
25/1000 → 10/1000 20/1000
(4)売買
50/1000 → 10/1000 20/1000
(5)保存
6/1000 → 2/1000 4/1000
(6)共有物の分割(注2)
6/1000 → 2/1000 4/1000
注1.従来、相続人に対する遺贈は、上記(3)の「遺贈、贈与」による税率が適用されていましたが、今回の改正では上記(1)の「相続」による税率が適用できることになりました。
注2.共有物の分割の場合は、その共有物について有していた持分に応じた価額に対応する部分に限られます。
今回の改正を土地についてみると、上記1.のように課税標準が不動産価格(固定資産税評価相当額)の3分の1とする特例が廃止された代わりに、税率は平成15年4月1日から3年間は軽減するという暫定措置が取られています。
以下、登記目的または原因別に改正前と後の税額を比較してみると次のようになります。この場合、土地の固定資産税評価相当額を900万円と仮定します
イ.(1)相続(2)合併(5)保存(6)共有物の分割の場合
改正前(~15/3/31)
900万円×1/3×6/1000=18,000円
改正後(暫定措置期間 15/4/1~18/3/31)
900万円×2/1000=18,000円
改正後(本則 18/4/1以後)
900万円×4/1000=36,000円
これらの場合は、上記1の不動産価額(固定資産税評価相当額)の3分の1特例が廃止された代わりに、税率が3分の1に軽減されたため暫定措置期間中(15/4/1~18/3/31)の税額は、改正前と変わりません。
しかし、本則適用後(18/4/1以後)の税額は2倍となりますが、本則による税率が6/1000から4/1000に引下げられていることと、課税標準である固定資産税評価相当額が平成8年月3日31日以前と比べて相対的に低下しているために税額の負担感が緩和されていることから、やむを得ないことかもしれません。
ロ.(3)遣贈、贈与
改正前(~15/3/31)
900万円×1/3×25/1000=75,000円
改正後(暫定措置期間 15/4/1~18/3/31)
900万円×10/1000=90,000円
改正後(本則 18/4/1以後)
900万円×20/1000=180,000円
平成8年3月31日以前は課税標準を3分の1とする特例がなかったので、225,000円(900万円×25/1000)でしたが、改正後の本則による税額は、これより20%下がっています
ハ.(4)売買
改正前(~15/3/31)
900万円×1/3×50/1000=150,000円
改正後(暫定措置期間 15/4/1~18/3/31)
900万円×10/1000=90,000円
改正後(本則 18/4/1以後)
900万円×20/1000=180,000円
上記ロと同じように計算すると、平成8年3月31日以前は450,000円(900万円×50/1000)でしたが、改正後の本則による税額は、これより60%も下がっています。
一方、建物については課税標準の減額特例はありませんでしたので、改正後の税率は、暫定措置期間、本則を問わず、改正前の税率の引き下げが行われたことになります。
また、平成15年3月31日までに適用された次の税率の軽減特例はいずれも平成17年3月31日までの2年間、期限が延長されました。
イ.所有権の保存登記 1.5/1000(本則4/1000)
(要件)
(1) 個人が床面積50m2以上の住宅を新築して居住し、新築後1年以内にする保存登記。
(2) 個人が床面積50m2以上の建築後未使用の住宅を収得して居住し、取得後1年以内にする保存登記。
ロ.所有権の移転登記 3/1000(本則20/1000)
(要件)
(1) 個人が床面積50m2以上の新築住宅で未使用のものを取得して居住し、原則として1年以内にする移転登記。
(2) 個人が居住の用に供するため、床面積50m2以上の中古住宅で取得日以前20年(耐火建築物は25年)以内に建築されたものを取得し、原則として、その取得後1年以内にする移転登記。
通常、請負契約による住宅の取得は「所有権保存」を目的として、売買による住宅の取得は「売買」を原因として登記されますので、上記イ.の(2)とロ.の(1)は、新築未使用の住宅を売買で取得する点においては同じとなります。しかし、登記原因を「所有権保存」とした場合は税率が1.5/1000、「売買」とした場合は税率が3/1000になります。
また、住宅取得資金の貸付等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減特例(特例税率1/1000、本則4/1000)は、平成17年3月31日まで2年間、期限延長されました。その対象となる住宅の要件は上記イ.及びロ.に掲げたものと同じです。






